生活習慣病について

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、初期の自覚症状がほとんどありません。しかし、放置すると動脈硬化が進み、将来的に脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす原因になります。当院では、お薬だけに頼るのではなく、患者様一人ひとりのライフスタイルに寄り添った治療を提案します。
こんな方は一度ご相談ください
- 健康診断で「要指導」「要再検査」の項目があった
- 血圧や血糖値、コレステロールの値が気になる
- 家族に高血圧や糖尿病の人がいる
- 運動不足、飲酒・喫煙、食生活の乱れが気になっている
- 最近、急激に体重が増えた
対象となる主な疾患
高血圧
高血圧とは、血管に強い圧力がかかり続けている状態のことです。初期には自覚症状がほとんどありませんが、放置すると血管が少しずつダメージを受け、硬くもろくなっていきます(動脈硬化)。そのため、高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれています。
高血圧の基準値
一般的に、医療機関で測定した血圧が以下の数値を満たす場合を高血圧と診断します。ご家庭での計測値は少し低めに設定されています。
診察室血圧(病院で測定): 最高血圧 130mmHg 以上 / 最低血圧 80mmHg 以上
家庭血圧(自宅で測定) : 最高血圧 125mmHg 以上 / 最低血圧 75mmHg 以上
放置すると引き起こされるリスク
血圧が高い状態が続くと動脈硬化が進み、将来的に生命に関わる重大な合併症を引き起こすリスクが高まります。
| 脳への影響 | 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、頸動脈狭窄 |
|---|---|
| 心臓への影響 | 心筋梗塞、狭心症、心不全 |
| その他の影響 | 腎臓病(腎不全)、大動脈瘤、認知症など |
当院での治療
当院では、ただお薬を処方するだけでなく、患者様が無理なく続けられる治療を一番に考えています。
・「家庭血圧」を重視した診断
病院では緊張して血圧が上がってしまう方も多いため、ご自宅でのリラックスした状態の血圧データを大切にし、適切な診断を行います。
・ライフスタイルに合わせた生活改善の提案
減塩のコツや無理のない運動など、お仕事や家庭環境を伺いながら、日常生活の中で実践しやすい具体的なアドバイスを行います。
・適切な薬物療法と減薬への取り組み
生活改善だけでは血圧が下がらない場合、体質や年齢に合わせた適切なお薬を選択します。生活習慣の改善によって数値が安定すれば、お薬を減らしていくことも可能です。
糖尿病
糖尿病とは、血液中の糖分(血糖値)を一定に保つ「インスリン」というホルモンの働きが低下したり、分泌量が減ったりすることで、血糖値が慢性的に高くなってしまう病気です。高血圧と同様に初期の自覚症状がほとんどないため、健康診断で指摘されて初めて気づくケースが非常に多い病気です。
こんな症状はありませんか?
糖尿病が少し進行してくると、体から以下のようなサインが現れることがあります。心当たりがある方は早めの受診をおすすめします。
- 喉が異常に渇く、水分をたくさん飲む
- 尿の量や回数が増えた
- しっかり食べているのに急に体重が減った
- 体がだるい、疲れやすい
- 手足の先がピリピリとしびれる
放置すると引き起こされるリスク
高血糖の状態を放置すると、全身の血管が少しずつダメージを受け、将来的に重大な合併症を引き起こします。特に細い血管が傷つくことで起こる以下の3つは「糖尿病の三大合併症」と呼ばれています。
| 糖尿病性神経障害 | 手足のしびれや痛みが現れます。進行すると感覚(温感覚・触覚・振動覚)が麻痺し、怪我や火傷の痛みに気づかなくなってしまいます。 |
|---|---|
| 糖尿病性網膜症 | 目の網膜にある血管が傷つき、視力が低下します。進行すると失明に至ることもあります。 |
| 糖尿病性腎症 | 腎臓のフィルター機能が壊れ、体に老廃物が溜まります。進行すると人工透析が必要になります。 |
当院での治療
糖尿病の治療は、毎日の生活の中で「無理なく長く続けられること」が何よりも大切です。
・「あれもダメ、これもダメ」にしない食事・運動指導
厳しい食事制限を強制するのではなく、お仕事や生活リズムを伺いながら、「ご飯の量を少し減らす」「食べる順番を変える」「一駅分歩く」など、ライフスタイルに合わせた現実的なアドバイスを行います。
・体質や生活に合わせた適切なお薬の選択
生活習慣の改善だけでは血糖値が下がらない場合、お薬(内服薬など)による治療を行います。現在は、低血糖を起こしにくいお薬や、体重減少をサポートするお薬など様々な種類がありますので、患者様の体質に最適なものを提案します。
・定期的な検査(HbA1c)による二人三脚のサポート
当院では、過去1~2ヶ月の血糖状態を示す「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」などの数値を血圧手帳に記載して定期的に確認します。結果を「見える化」することで、モチベーションを保ちながら一緒に治療に取り組んでいけるようサポートします。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質のバランスが崩れてしまう病気です(以前は「高脂血症」と呼ばれていました)。
主に、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が増えすぎたり、あるいは血管の掃除屋である善玉(HDL)コレステロールが減りすぎたりした状態を指します。高血圧や糖尿病と同様に、自覚症状がまったくないまま進行するのが特徴です。
脂質異常症の基準値
健康診断などの血液検査で、以下のいずれかに当てはまると脂質異常症と診断されます。
高LDLコレステロール血症(悪玉が多い): 140mg/dL 以上
高トリグリセライド血症(中性脂肪が多い): 150mg/dL 以上(空腹時)、 175mg/dL 以上(非空腹時)
低HDLコレステロール血症(善玉が少ない): 40mg/dL 未満
放置すると引き起こされるリスク
血液中に余分な脂質が増えると、血管の壁にドロドロとした脂肪の塊が溜まっていきます。これにより血管が狭く、硬くなる「動脈硬化」が急速に進行します。自覚症状がないからと放置してしまうと、ある日突然、命に関わる重大な病気を引き起こす原因になります。
| 心臓への影響 | 心筋梗塞、狭心症 |
|---|---|
| 脳への影響 | 脳梗塞、一過性脳虚血発作 |
| その他の影響 | 足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症、急性膵炎(中性脂肪が極めて高い場合) |
当院での治療
コレステロールの数値は、食事だけでなく、運動不足やストレス、体質(遺伝)、年齢(特に女性は閉経後に上昇しやすくなります)など様々な要因が関係しています。
・我慢ばかりではない、実践しやすい食事・運動のアドバイス
「お肉や卵を一切食べない」といった極端な制限は長続きしません。当院では、「油の種類を変える」「食物繊維を多めに摂る」「日常生活の中で歩く時間を増やす」など、患者様が無理なく続けられる具体的な工夫を一緒に考えます。
・数値だけにとらわれない、リスクに応じた薬物療法
「数値が高いからすぐにお薬」というわけではありません。患者様の年齢、性別、喫煙の有無、他に高血圧や糖尿病があるかなどを総合的に判断します。将来の心筋梗塞などのリスクが高いと判断される場合に、体質に合わせた適切なお薬をご提案します。
・「血管年齢」や「エコー」による動脈硬化のチェック
血液検査の数値だけでなく、当院では「血圧脈波(血管年齢)検査」や「頸動脈超音波(エコー)検査」を用いて、実際に血管の硬さや詰まり具合が進んでいないかを視覚的に確認し、一人ひとりに最適な予防医療を行います。
高尿酸血症(痛風)
高尿酸血症とは、血液中の「尿酸」という物質の濃度が慢性的に高くなっている状態です。増えすぎた尿酸は体内で結晶化し、関節(特に足の親指の付け根など)に溜まっていきます。この結晶に対して体の免疫機能が反応し、ある日突然、激痛としびれを引き起こすのが「痛風発作」です。なお、患者様の約9割以上が男性という特徴があります。
高尿酸血症の基準値
健康診断などの血液検査で、以下の数値を満たすと高尿酸血症と診断されます。
血清尿酸値: 7.0mg/dL 以上
「痛風発作が起きていないから大丈夫」と思いがちですが、数値が 7.0mg/dL を超えている状態は、体の中で少しずつ尿酸の結晶が溜まり続けているサインです。
放置すると引き起こされるリスク
高尿酸血症を治療せずに放置すると、痛風発作を繰り返すだけでなく、全身の様々な場所に悪影響を及ぼします。
| 関節への影響 | 痛風発作の頻発、関節の変形や結節(こぶ)の形成 |
|---|---|
| 腎臓への影響 | 尿酸が腎臓に溜まって機能が低下する「痛風腎(つうふうじん)」、進行すると人工透析が必要になることもあります |
| 尿路への影響 | 尿の通り道に石ができる「尿路結石」(激しい腹痛や背部痛を伴います) |
| 血管への影響 | 高血圧や脂質異常症を合併しやすく、動脈硬化を進めて心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます |
当院での治療
尿酸値が高くなる原因は、ビールやレバーなどの「プリン体の摂りすぎ」だけでなく、体質(遺伝)やストレス、激しい運動、水分不足など多岐にわたります。
・痛風発作への迅速な対応と痛み止め
いま現在、激しい痛みに苦しんでいる方には、まずは速やかに痛みを抑える消炎鎮痛薬を処方します。※痛みが激しい発作の最中は、急に尿酸値を下げる薬を飲むと逆に痛みが悪化することがあるため、適切なタイミングを見極めて治療を進めます。
・我慢だけではない、現実的な食事・生活アドバイス
「ビールを一切飲まない」「プリン体を含む食事をすべて避ける」といった極端な制限は生活の質を下げてしまいます。当院では、「十分な水分を摂る(尿から尿酸を排出しやすくする)」「アルコール全体の量を控える」「適度な有酸素運動で肥満を解消する」など、取り組みやすい生活習慣の改善を提案します。
・体質に合わせたお薬の選択と定期的なコントロール
生活習慣の改善だけで尿酸値が下がらない場合、お薬による治療を行います。尿酸には「体内で作られすぎるタイプ」と「尿からうまく排出できないタイプ」の2つがあり、当院では検査結果をもとに患者様の体質に最適なお薬を選択し、安全に数値をコントロールします。
